
初めてのワークショップ
9月末に『えものがたり博 in沼津』に絵本作家枠で参加してきました。
何をしようか考えた時、目の前で描くのは緊張してしまうし無理だなと思って、子供と一緒に何かするなら緊張しないで楽しくやれそう、あ!お絵描きしよう。そうひらめいたのでした。

春に展示をした時に好きに描いてもらうボードを置いて、時々来ては描いて、最後に皆の絵をまとめて、それは賑やかな絵が出来たので『またやろう!』と思い立ち、今度はしっかりと板貼りしたボードを用意しました。
当日は、沢山の絵本やショップ・劇などもあり見てるだけで凄くワクワクしました。なので、人が来なかったらどうしようという心配は他所に、子供はお絵描き・無料・どなたでもという言葉に引っ張られて、ドンドン来てくれました。

はじめはビクビクしてたり、遠慮している子も慣れてくれば筆が進む進む。私も一緒になって、よく分からないぐちゃぐちゃ線を沢山引いて楽しみました。
真っ白だと遠慮してたのか、汚れてくるにつれ描きたい!って子が増えてたのが面白かったです。凄く丁寧に描く子、お構いなしにグチャグチャにする子、ちっちゃ〜い絵を描いたり、暗黒玉を描いたり、もう本当に自由だった。
いいね、いいね、楽しいね!という感じ。
描く場所がなくなったけど、まだまだ子供はやってくる。そして色が重なっていく…
もともとのイメージは『海と山』
子どもたちに海と山からひらめくものを沢山描いてもらって、そこから私は海幸彦山幸彦を描こうかな…なんて思っていたけど、予想外に子どもたちのパワーは凄くて、収拾つかない状況に。。

文字通り、好きなものをどんどん描いた結果↑
うん、楽しくて賑やかで最高だね!
でもこれどうして形にしようかな。。みんなの線を上から消しちゃうのは嫌だしなそんな悩みを抱えつつ帰宅。

よーく見るほどにパワーがあって、凄くにぎやかで楽しい絵。このままでも良い気がするけど、でも私はここから何が見えるかなと、じーっと眺めていたら
ちゃんと海幸彦・山幸彦が見えてきた
皆の絵を無くさないように、綺麗な色を重ねていく
海幸彦は踊っているような イジワルな奴だと思ってたのに優しく綺麗な手をしてる

でもこのまま行くと皆の線が消えちゃう。この変なサメとかクラゲとか海だって言ったのに山とかも無くなるのは嫌だな…悩んで、離れて眺めていた
それで、ふと気付く
『あ、これはこれでおしまいなんだ。この絵は私に気付きをくれる絵なのか!なるほど』と。それでは山幸彦はどうなるんだろう。
まずジーッと見ると、浮かび上がってくる。それでその線をちょっと出してみる。一番初めに見えた山幸彦はもう見えなくて、さっきは顔があったのに、今度は後ろを向いてる。気付いたらもう背中しか見えなかった。

勢いよく何かを振るっている。なんだろうなって調べてみたら山幸彦は十拳剣(とつかのつるぎ)から海幸彦の釣針を作ったとか書いてある。なるほど、じゃあそれを描こう。
こうしてこの2枚の絵は出来ました。
明日のイベントで展示して皆に話を聞いてみたい。子どもたちの絵のパワーとかこの皆の絵が重なって凄く綺麗な色が沢山あることを見て欲しい。
そして、私はまた次に描きたいテーマを貰えました。
私の読んだ海幸彦山幸彦の話だと山幸彦の方がいい奴だったのに、出来た絵だとなんか海幸彦が可哀想な感じがするな。…そんなことが浮かび、私はまた日本書紀とか日本神話を学ばないといけないし、次はこれらから影響を受けた絵を描くと思います。
昔何の絵だったのか忘れたけれど、藝大試験に落ちたその足で、せっかく東京に来たのだから最後の記念にとフラフラと電車に乗り、どこか(忘れた)の美術館に行き、そこで青木繁の日本神話を題材にした絵を見た。
その絵をみた瞬間、動けなかった。絵の中の人物が、色が、物凄い語りかけてきて…足が竦んだ。
何十年、何百年も前の人が描いた絵が、現代にいる私の心を動かしているという事に、今まで味わったことの無い不思議な気持ちになった。『私はなんてことを仕事にしようとしているんだろう。こんな凄いことが私に出来るだろうか、私はものすごく恐ろしい夢を持ってしまった』と泣きながら『こわい』と思った。
そんな事も思い出した。
私はまだまだこれから沢山描く。絵は売れなくても、他の仕事で生活しながら、好きな絵を好きなように描く。展示させてくれる人がいる限り、描ける。
感謝しながら、やりたいことをやる。やりたくないことはやらない勇気も忘れずに。
子どもたちの絵を眺めながら、この線をくれてありがとうと思った。子どもたちから、絵は自由で楽しいものであるという気付きと次のキッカケをもらえたワークショップでした。
おしまい

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